2011/10/23

選挙広報(チュニジアレポート3)

政府のほうも選挙の周知に力を入れていて、「選挙に行こう」ステッカーや選挙の手順を記した紙を配るばかりでなく、その手順をビル全面に描いて宣伝していたりしている。

ビルに描かれた選挙の手順

これは、ひとつには選挙というものを経験していない人がたくさんいることによる。また、写真を見ればわかるようにイラストが付いているが、これは高齢者には文字の読み書きできない人がいるので、そうした人にもわかるように配慮しなければならないからであろう。

さらに考えられるのは、このように政府が投票を呼びかけるということは、選挙そのものの公正性を国内外に訴えることにもつながるということだ。

長年不正な選挙を経験してきたので、国民の中にはどうせ政府のやることだから、と否定的な考えをする人もいるそうだ。

また、選挙が公正な手続きを踏み、政府がそのために努力したことを世界にアピールするのは、今後の政権が国際的にどのように扱われるかを左右しうる重要な事柄だ。

チュニジア政府がEUと国連の選挙監視団を積極的に受け入れているのもこうした背景があるに違いない。聞いた話によれば、政府は国連に4,000人の監視員を要請したが、現在2,500人しかきていないそうだ。
EUの選挙監視団のマーク

チュニジアの首相、カーイドシブシーは20日の演説で、選挙が公正なものであり、選挙によって選ばれた政権に速やかに権力を委譲することを明言している。