もっともその勇気は、カレン民族が経験してきた絶望、危機、荒廃、死、悲しみによってもたらされたものだ。
軍事政権下の60年はカレン人の持つ可能性を徹底的に衰退させた。戦争により生活は破壊され、その先にある難民キャンプは、避難所どころか民族の分散と人材の流出の始点でしかなかった。
国内に目を転じてみると、そこにはイギリス植民地時代の自信と教養に溢れたカレン人などもはや滅多に見出すことはできない。そのかわり、熱狂する者、恐怖にとりつかれた者、酒と宗教に溺れた者ならいくらでもいる。これらの人々から現実を直視する力と理性の力を失わせたのは、まさしく軍事政権の無残な迫害であり、この迫害を何とかして止めさせなくてはならない限り、カレン人に将来はないのだ。
そのためにはひとつの道しかない。それはいかなる手段を用いても平和を確立し、カレン人の命を救うことだ。
幸いにも、かつての敵であった軍事政権はテインセイン政権にその座を譲った。この新しい政権は確かに古い政権に似ていて、まるで親子のように瓜二つでもあるが、現在の国際状況ではかつてのように傍若無人にふるまうことはもはや不可能であることを認識している点で大きく違う。
軍事政権下の60年はカレン人の持つ可能性を徹底的に衰退させた。戦争により生活は破壊され、その先にある難民キャンプは、避難所どころか民族の分散と人材の流出の始点でしかなかった。
国内に目を転じてみると、そこにはイギリス植民地時代の自信と教養に溢れたカレン人などもはや滅多に見出すことはできない。そのかわり、熱狂する者、恐怖にとりつかれた者、酒と宗教に溺れた者ならいくらでもいる。これらの人々から現実を直視する力と理性の力を失わせたのは、まさしく軍事政権の無残な迫害であり、この迫害を何とかして止めさせなくてはならない限り、カレン人に将来はないのだ。
そのためにはひとつの道しかない。それはいかなる手段を用いても平和を確立し、カレン人の命を救うことだ。
幸いにも、かつての敵であった軍事政権はテインセイン政権にその座を譲った。この新しい政権は確かに古い政権に似ていて、まるで親子のように瓜二つでもあるが、現在の国際状況ではかつてのように傍若無人にふるまうことはもはや不可能であることを認識している点で大きく違う。