2016/02/13

友情

仮放免申請書は、入管に収容されている人を外に出すための申請書で、専用の用紙にいろいろ記入しなくてはならない。その項目の中に、被収容者と身元保証人(もしくは申請人)との関係を記すものがある。

関係を記せというのは、例えば被収容者の配偶者であったり、親族であったりする場合のことをもともとは意図していると思われるが、実際にはそうした関係のない人も身元保証人や申請人を務めることも多いし、わたしもそのひとりだ。

では、親族ではない人はいったいそこになんと書いているのか。わたしは他の人の申請を見たことがないのでわからない。「支援者」と書く人もいるかもしれない。


わたしの場合をいえば「友人」と書く。実際そうだからだが、これには不都合もある。

すなわち、今まで一度も会ったことのない人の仮放免申請をする場合がそれだ。具体的にいうと、その被収容者が収容されてから在日ビルマ難民たすけあいの会(BRSA)に入会した場合で、わたしがその人を収容以前から知っているとは限らないし、また時間の関係で面会の前に申請せざるをえないこともある。

会の活動として、つまり役員会の合意を経て仮放免申請するわけだから、別に会っていなくても構わないとは思う。しかし、そうした人との関係を「友人」と書くのは適当なことだろうか。

しかし「BRSAの会長と会員」などと書くのもおかしい。その人が仮放免された後もわたしが会長だとは限らないからだ。だが、友人であり続けることはできるだろう。

それにそもそも、わたしのような人間と友達になってくれるのは、収容されている人以外にはあまりいない。そう考えると、収容されている人は誰であろうとみなわたしの友人のような気がしてくる。

だから、わたしは「友人」と書く。

誰がなんと言おうとだ。

そう、わたしもまた「友達で押し通す予定!」なのだ。