2016/02/16

「我らが勝利の日:チン民族と全土停戦合意(NCA)」(19)

このような批判的な見解を持つカレン人は決して少数派ではない。

2008年に暗殺されたKNUの指導者マンシャの2人の娘でイギリス在住のゾヤパンさんとブエブエパンさんは、カレン人社会の中で非常に大きな影響力を持つが、2人はかねてからKNUの停戦交渉に関して批判的な発言を行ってきた。

また、NCAを受けて国外のカレン人政治団体は、これに反対を表明する共同声明も出している。その中には日本のカレン人団体も含まれている。

日本国内のカレン人を見ても、現行のKNU執行部に対して批判的あるいは不信を表明する人も多い。日本にはKNUの日本代表と支部が存在するが、その代表を務めるミョーカインシンさんすら、ムートゥーセーポーさんが議長となったKNU総会の時から、現行の執行部に対する懸念をたびたび公にしてきた。

さらに、NCAに対するカウンター・ムーブメントとして国外のカレン人諸団体を糾合する動きもあるようだ。2ヶ月ほど前には、ビルマ国外(確かオーストラリア)在住のカレン人活動家が日本や韓国を訪問し、カレン人の現状についての説明や意見交換を行ったということだが、これもその一環だろう(ただし、わたしは行けなかったが)。