難民認定申請者が身元保証から解放される場合として,その申請者が難民認定されるか,人道的配慮により滞在を許可されるか,あるいは,申請を取り下げて帰国するかしたときの3つを前にあげたが,これ以外にもいくつかある。
ひとつは申請者が亡くなった場合。これは幸いにしてわたしは経験していない。
身元保証人が亡くなることだってありうるが,この場合は申請者は別の保証人を捜さなくてはならない。これも幸いにしてわたしにはない。
少し脱線するが,身元保証人を変えなくてはいけないケースもある。それは例えば身元保証人が重い病気になり,責任が負えなくなった時だが,一番多いのが,身元保証人と難民認定申請者との間の信頼関係が失われ,どちらも,あるいはどちらかが保証関係を解消したいという場合だ。
入国管理局は身元保証人の変更はあまり認めたくないようで,変えようとすると嫌味を言われたりする。手続きもいろいろめんどうだ。
ときどき,難民認定申請者の方から,今の身元保証人は意地悪なのでわたしにお願いできないか,と頼まれることがある。わたしはたいてい次のように答える。「もちろんいいですよ。でも前の保証人の方と入管に行ってまず相談してみてくださいね」
そうするとまず話は沙汰止みになる。手続きに少々手間がかかるので,それくらいならそのままでいいや,と思うに違いない。わたしとしても万々歳だ。