2013/10/28

熊殺し

わたしの苗字は熊切といい,そのルーツは静岡の熊切村(この地名はもう廃されているが)にあるようだ。

もっとも,いつどのようにわたしの一族が出てきたところの千葉の山奥に熊切姓が移ってきたかは分からない。

しかし,この姓は東京や神奈川にもあることが確認されているから,海路ではなく陸沿いにやってきたことは確かだろう。たぶんマンモスか何かを追って(昔の人が移住する原因No.1はマンモスだから間違いあるまい)。

ところで,芸能人の熊切あさ美さんは浜松の出だそうで,これも熊切村と関係があるにちがいない。近頃よくニュースにとりあげられるが,これはよいことだ。わたしをふくめて崖っぷちの熊切がそんなにたくさんいては困る。

「熊を切る」というやや変わった苗字は外国人には好評で,たいてい狩人かサムライを想像するようだ。 由来は分からないが,熊とあるからにはおそらく先祖は熊だったのだろう。

朝鮮の神話的な王,檀君は熊から生まれたそうだが,もしこれが本当ならば,おそらく同族に違いない我が先祖も,半島が懐かしくて,房総半島に移り住んだのかもしれない。まさに歴史のミステリーだ。

さて,この間,やはりわたしの苗字が話題になった時,あるカレン人が,熊を素手で殺したというカレンの男の話をしてくれた。

その男はタウングー辺りの農民で,今から20年ほど前のこと,山で熊に出会い,死闘の末に見事仕留めて,獲物を抱えて村に帰還したのだそうだ。

戦いの最中に彼は熊に顔面をえぐられ,それは醜い傷となって残り,事情を知らぬ人をぎょっとさせているという。

なお,ビルマでも熊胆は医薬品として珍重されているのだと。