法務省は2009年に「在留特別許可に係るガイドライン」を発表した。詳しくは法務省の該当ページを見れば分かるが,大雑把にいえば日本に長くいる外国人で犯罪歴がない者は,たとえ不法滞在者であっても,在留特別許可を与える,というものだ。
そのため,ビルマの人々でも難民認定申請をしたくない人は,このガイドラインを頼みの綱に入管に申請する場合もある。
そのさいに問題になるのは「長くいる」とはどれ位を指すのか,ということだが,多くの人は20年以上と理解しているようだ。
それはともかく,わたしはこれはむしろ見込みのないやり方で,もし難民としての十分な理由があるならば,難民認定申請をした方がよいという考えを持っている。
ところが,このガイドラインによって在留特別許可を得た人も結構いる,ということを,やはり同じ方面で申請して認められずにそのまま入管に収容されてしまった人から聞いた。
ほんとかね,とわたしは思う。というのも,わたしはその人とまったく同じ理由で今年収容された人を知っているから。それにそんなに簡単にビザがもらえるなら,みんな苦労して難民認定申請などしない。
わたしが疑念を口にしたら,彼は言った。「自民党になってから,みんなもらえなくなったのです!」
わたしにはこれが正しいのかどうか何とも判断できないが,このような見方が流布していることは面白いことだと思った。