2014年12月21日にカレン・ニュー・イヤーが東京の池袋で開催された。
これはカレン人が新年を祝う伝統行事で、日本でも毎年行われている。日本だと食べて飲んで歌って踊ってという感じだが、カレン人の土地では力試しや駆けくらべなどの催し物も行われるらしい。また、こうした祝祭は野外でするものだが、日本では寒いし、そもそも都内ではなかなか難しい。
今回の新年祭も内容はあまり変わらないが、踊りとバンドのレベルは向上していた。カレン人の伝統的習慣、暮らしぶりや結婚の様子を再現するという新しい趣向の出し物も面白かった。
わたしは小学生1年生の娘と一緒に参加した。はじめは娘もあまり乗り気ではなかったが、そのうちに同じ年ごろのカレンの子どもたちと遊びはじめた。
たくさんの料理が並べられていて、娘と二人で食べた。慣れない食べ物だからいやがるかな、と思ったら、おかわりする始末だ。
今はどうだか知らないが、タイ・ビルマ国境で活動するカレン人はよく短いドキュメンタリー映画を作って、ビルマ軍がカレン人の村人たちにどのようなひどいことをしているか、記録したものだった。
ビルマ軍が村にやってくると、家畜を奪ったり、村を焼いたり、女性を強かんしたりするので、村人たちは軍が近づいてくると森の中に逃げる。
みんなが逃げられればいいが、老人や子どもは逃げ遅れて兵士に捕まることもある。
わたしが見たショートフィルムでは、二人の若い夫婦が泣きながら、そのようにして軍に連行された自分の子どもについて訴えていた。
「わたしたちは自分の子どもがそれ以来どこに行ったのか分からないのです」
父親は、いかにも不器用な感じで、両手の掌で涙を拭い続けながら言う。
「わたしたちはいつだって一番良い食べものを子どもにあげてきたのに……」
子どもたちは祭りそっちのけで駆け回って遊んでいて、うちの娘などは楽しくなり過ぎて帰ろうといってもいっかな聞かないのだった。
開会式の様子