2013/06/08

カチン・グローバル・デー・オブ・アクション緊急声明文(日本語訳)

(英文の声明を翻訳したもの)
 
Kachin Global Day of Action
カチン・グローバル・デー・オブ・アクション
カチン民族のために世界中で働きかける日
緊急声明文
2013年6月7日

真の平和の鍵は連邦主義

ビルマ政府軍とカチン独立軍(KIA)との間の17年間の停戦が破棄されて2周年となる本日,世界各国のカチン民族団体およびビルマ・キャンペーン・グループはともにカチン・グローバル・デー・オブ・アクションを開催いたします。

このグローバル・デー・オブ・アクションが光を当てるのは,カチン民族地域での人権侵害行為であり,そのうちには女性に対する性的暴力も含まれます。また,永続的な平和を保障する「連邦主義民主国家ビルマ」の樹立をも呼びかけます。

世界中のさまざまな国でデモ,書簡やイベントを通じて,それぞれの政府に対する働きかけがなされるでしょう。それは,各国政府の圧力により,テインセイン大統領にカチン民族に対する攻撃を停止させ,連邦制民主主義の原則に依拠した政治的解決へと向かわせるためのものなのです。

イギリスでは,カチン・コミュニティとビルマ・キャンペーンUKがイギリス外務省前において抗議を行い,ウィリアム・ハーグ外務大臣に対して,ビルマ政府軍が犯した強かんと性的暴力の問題を重大に受け止めるとともに,ビルマの憲法改正のための働きかけを行うように求めます。

ビルマ軍がカチン民族との停戦を破棄して2年の歳月が流れました。その結果,カチン民間人は絶え間ない軍事攻撃と人権侵害にさらされることとなりました。軍事攻撃にさいし,ビルマ軍は民間人を標的にしているのです。これは戦争犯罪と認定することができます。また,ビルマ軍による人権侵害行為は国連においても記録されていますが,これらは人道にもとる犯罪と見なしうるでしょう。カチン民族民間人は,さまざまな人権侵害に苦しんできました。女性と子どもに対する強かん,法によらない処刑,拷問,強制労働,迫撃砲による砲撃,村の放火と略奪……。いまや10万を越えるカチン民間人が故郷から避難民キャンプへと逃れるか,国内避難民となっています。しかも,ビルマ政府はこれらカチン避難民に対する人道的支援を制限し続けているのです。

真の停戦への動き,戦争の根本原因である政治的問題に取り組んだ内実ある交渉という点では,政府側からの見るべき進展はありません。カチン民族,そして他のビルマ少数民族が軍部を後ろ盾としたビルマ政府のもとで苦しみ続けるなか,国際社会のほとんどは凄惨な人権侵害にを前に見て見ぬ振りをし,それどころか主要な経済制裁を解くことをもってビルマ政府に報いているのです。

「カチン州の紛争の根本原因は現行の憲法のもたらした国民間の不平等である。カチン民族をはじめとするすべての非ビルマ民族の民族自決権を保障する連邦主義的民主国家ビルマの成立という政治的解決なしには,ビルマには永続的な平和は決して訪れないだろう」(あるカチン人の言葉より)