2014年4月13日,在日ビルマ難民たすけあいの会は以下のような声明を発表した。BRSAの会員の声をわたしがまとめたものだ。最後の会長に関する件は,笑ってしまうが本当のことだ。
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在日ビルマ難民たすけあいの会(BRSA)
当会の会員を含むビルマ難民認定申請者に対する入国管理局の見解といやがらせに関する声明
2014年4月13日
難民行政に関わる入国管理局をはじめとする日本政府諸機関のみなさま,およびビルマと難民の諸問題に関心を持つすべてのみなさま
わたしたち在日ビルマ難民たすけあいの会(BRSA)は2008年3月にビルマ(ミャンマー)難民と日本人とにより結成された政治団体であり,在日ビルマ政治活動家の生活を支援することを通じてビルマの民主化を促進することを目的としています。わたしたちの会には,現在200名以上もの難民認定申請者が会員として活動しており,わたしたちはこれらの会員が直面している不安定な生活,不十分な医療,入国管理局への収容などのさまざまな問題に日々対処しております。本日,ここに公にする3つの項目からなる声明は,これらの会員の切実な悩みより生み出されたものですが,そのうちはじめの2点は,当会の会員ばかりでなく,日本におけるビルマ難民認定申請者すべてが共有している思いであると,わたしたちは考えております。わたしたちは,本声明で述べられた事柄に関して入国管理局が速やかに改善してくださることを求めるとともに,みなさまからの問い合わせ,意見,提案,協力を心から待ち望むものであります。
1)ビルマ難民認定申請者がいまなおビルマにおいて命の危険があるということを,難民認定審査に携わるすべての方々が真摯に理解してくださるようわたしたちは求めます。
2011年3月のテンセイン氏を大統領とする新政府発足以来,ビルマの状況は大きく変わりました。しかしながら,わたしたちの見解では,ビルマはまだ多くの政治活動家にとっては安全な国ではありません。政府は今なお軍の影響下にあり,民主主義,法の支配,人権の保障,民族の平等,平和が本当に根付いていると考えられる状況にはまだありません。そして,現在のビルマ政府がこれらの国外の政治活動家の命を守るためにいかなる保障も措置も講じていないことと併せて,多くのビルマ難民認定申請者は,自分,そして家族の命が今のビルマ政府によって守られることはないと考えております。しかしながら,難民認定審査の現状においては,しばしば国外退去させることを目的とした審査が行われ,多くの難民の声が反映されぬままとなっております。わたしたちは入国管理局のこのような結論ありきの審査ではなく,ビルマの現状に即した審査が行われるよう求めます。そしてそのためならばわたしたちはどのような協力をも惜しまないでしょう。
2)難民認定申請を取り下げさせることを目的とした入国管理局職員による難民認定申請者に対する不当ないやがらせや圧力にわたしたちは断固として反対します。
入国管理局を訪問する多くのビルマ難民認定申請者が,入国管理局職員からのいやがらせや脅しに不快感と恐怖感を感じています。仮放免中の申請者は,定期的に仮放免の延長の手続きのために担当部門におもむきますが,そこでは職員たちが「今はビルマもよくなっているから帰りなさい」,あるいは「あなたたちはどうせ難民(認定)はダメだよ,そうなったらどうする,入管に捕まるよ」などと,手続きには関係のない発言を行い,申請者たちに難民認定申請を取り下げるよう圧力をかけたり脅したりする行為が日常的に繰り返されています。また,難民認定申請を希望する者に対し,難民認定申請書を渡さなかったり,「税金の無駄だから自分でネットでダウンロードしなさい」などと言ったりして,申請を妨害する行為もたびたび報告されています。難民認定申請者に対するこうした圧力,いやがらせ,妨害は,はたして難民条約上許されることでしょうか。あるいは,出入国管理及び難民認定法に基づく行為なのでしょうか。もしそうでないのならば,入国管理局は難民認定申請者に対するこのような不当な行いを直ちに改めなければなりません。
3)当会会員に対して出された難民不認定処分理由書中の,当会に関する記述には誤解もしくは無理解に基づくものがあり,わたしたちはこれらの訂正を求めます。
当会会員に対する難民不認定処分理由書に,しばしば当会が単なる支援活動団体であり反政府活動を行う政治団体はないとの記述がなされ,これが当会会員の難民不認定の理由のひとつとされることがあります。しかしながら,当会は①在日ビルマ政治活動家の生活を支援することを通じてビルマの民主化に関与し,②他の民主化団体と協力して日本国内における反政府活動に積極的に関わり,③インターネットや刊行物を通じてその反政府的立場を明らかにし,④ビルマ国内の民主化勢力,反政府政治活動家への継続的支援・協力を行っている反政府政治団体であり,理由書の記述は当会の活動に対する誤解もしくは無理解に基づくものです。
また,当会会員に対する難民不認定処分理由書には,当会会長がビルマへの「入国を許可された」ことについても不認定理由の一部として言及されることがあります。ですが,そもそも日本国籍者である当会会長がビルマへの入国を許可されたという事実は,あくまでもビルマ政府の外国人への処遇という問題に関わるのみで,ビルマ国籍を有する当会会員の難民性,および当会の持つ反政府活動団体としての性質とはまったく関係のない事柄です。