2013/10/09

Delta Song with Mr. Nay Myo Zin

今年の2月のビルマ訪問のさいに撮影した映像を使って,エーヤワディ管区の農村の現状とBRSAとNay Myo Zinさんによる井戸作りをまとめたビデオ(日本語字幕付き)を制作しました。

Nay Myo Zinさんは有名な政治・社会活動家で,農村に対してさまざまな支援活動を行っています。

2分に満たないという素晴らしい短さなので,ぜひご覧ください。

2013/10/08

小切手

身元保証とともに仮放免されている難民認定申請者は,だいたい30万〜100万円の保証金(正確には保管金)を入管に収めている。

難民認定されたり滞在許可を得たりして身元保証が不要になると,この保証金が返還されることになる。

品川の入管の場合,4階の会計課で簡単な手続きの後,保証金の金額が記された小切手を受け取り,田町の東京三菱UFJ銀行に赴き,その中の日本銀行代理窓口で換金を行う。

わたしは9月24日にその手続きを行ったのだが,面会などの別用もあったため,銀行に着いたときには窓口が閉まっていた。

そこで,別の日にもう一度行かなければいけなくなったのだが,その後,やはりわたしが保証人をしていた別の人にも滞在許可が下り,その次の週に都合良く2人分済ますことができた。

小切手2枚を銀行で換金するというのは,わたしにとってははじめてのことで,2枚を比べると,小切手に番号が振られていることに気がついた。

9月24日に発行された小切手の番号は126で,10月4日のものは139だ(もうひとつ別の番号もありそれぞれEV01804,EV01817と記されている。EVは何の略か分からない)。この小切手には「保管金」「保・入国管理」とも記されており,それゆえ保管金のみに使われるものだと推定できる。

つまり,9月24日から10月4日までの間に,少なくとも14枚の小切手が切られ,保証金が返還されたということになる。「少なくとも」と言うのは,9月24日ではわたしの前に,10月4日ではわたしの後にその日付の小切手が出された可能性があるからだが,それはここでは除外して考えよう。

9月24日から10月4日までの間で,入国管理局が開いている日は9日あるから,それゆえ,この9日間の間に14人の人が保証金返還手続きを行ったということになろう。これは少なくとも2日で3人というペースだ。

この数字に何か意味を持たせるにはあまりにもデータが少なすぎるが,今年中に次の小切手を手にするということがあるとするならば,その番号はいったい何番になっているだろうか?

それを考えると,もうワクワクして眠れない。

いや早く寝なさい……。 

2013/10/05

アウンサンスーチーさんのスピーチ

今年の4月13日の渋谷でのアウンサンスーチーさんのスピーチと質疑応答を今頃ですがYouTubeのBRSAのページにまとめました。日本語の字幕はついていません。

 

 

 

 

 

2013/10/04

おもてなしに倍返し(2)

ここでNさんの労働環境を述べよう。

彼は難民認定申請により日本での在留許可を得ている。そして,この場合,普通の労働であれば制限なく行うことができる(確か風俗業のようなことだけはダメだったと思う)。

また,彼によれば「自分は税金も保険も全部ちゃんと支払っているから,問題になるようなことはない」とのこと。つまり,在留許可と就労ビザの点では何一つやましいことはないということだ。

だから,自分の就労資格についてに入管が何か言うことはありえない,と。

では,もうひとつの問題,労働時間の方がどうかというと,彼はそのSという居酒屋で,月曜から金曜まで毎日午後4時から午後10時まで働いていた。雇用形態はアルバイトで,仕事の内容は調理だ。

いっぽう,彼はもうひとつ飲食店のアルバイトを持っていた。午後11時から午前4時までの深夜の仕事で,NさんはSの仕事の後にその職場に向かうのだった。

居酒屋SのH部長が主張するには,Nさんが2つの職場で長時間働いているため,役所が問題視しているのだという。過労死しちゃうのではないかと。

2013/10/03

おもてなしに倍返し(1)

新橋の居酒屋Sで働くビルマ難民のNさんが9月19日木曜日にいつものように午後4時に店に行くと,本社のHという部長がやってきて,次のようなことを言った。

1)役所(どこだか分からない)が本社にやってきて,あなたが働き過ぎだといっている。

2)入管が本社にやってきてあなたのことを調べた。

「会社としてはあなたが働きすぎて過労死してしまうのが心配だから,しばらく来ないでほしい」

Nさん「ならば,いつから働き始めることができますか?」

Hははっきりしない。土曜日で終わりだとかタイムカードを押さないでほしいとかいろいろ言っている。日本語能力が十分ではないNさんはHの言うことははっきりとはわからなかったが,自分が不当に解雇されようとしていることはわかった。

翌日,20日に彼はわたしのところに来た。何が起きているのかはっきりさせてほしいので問い合わせてくれないか,という。「こんなふうに仕事辞めさせるのは,イジメだよ!」と怒っている。

2013/10/02

身元保証(5)

難民認定申請者が死亡する以外に身元保証という関係が解消されうるとしたら,難民認定申請者が犯罪行為により逮捕され,実刑判決を受けた場合ではないかと考えられる。

身元保証人は申請者に対して仮放免延長許可申請のために定期的に署名をしなくてはならないのだが,申請者が刑務所にいる間はもちろんそんな必要もないし,そもそもありうることではない。

だから,少なくとも刑期中は身元保証関係は解消されるものと見なくてはならない(いわば,その間は国がその人の身元保証をしているわけだ)。

このように刑務所に収監された申請者は,しかるべき償いを終えた後,入国管理局に移送される。そして,その後,本国への強制送還手続きがはじまるのだが,そのような状態であっても,難民であるため帰ることができないと考える者は,再び難民認定申請に入ることができる。

そして,申請後,仮放免手続きを行うさいには新たに身元保証人が必要となるわけだから,刑務所に行く前の身元保証関係はある時点ですでに解消されていると考えなくてはならない。

いったいそれはいつの時点であろうか? 逮捕された時点か,起訴された時点か,実刑判決を受けた時点か,それとも刑期を終え入管に移送された時点なのか?

これは大問題だ。なぜなら,身元保証関係がいつ消滅したかは,日本政府に収めた保証金をいつ取り戻すことができるかに直結しているからである。

それにもうひとつ付け加えるならば,これはまったくわたしにとって人ごとではないからだ。 

つまり,わたしが身元保証していたあるビルマ難民がくだらない犯罪行為を犯して逮捕され,おそらく実刑は免れまいというのだ(他人の命に危害が及ぶことがなかったのは幸いであった)。

いいかげんにしてくれよ……。

2013/10/01

身元保証(4)

難民認定申請者が身元保証から解放される場合として,その申請者が難民認定されるか,人道的配慮により滞在を許可されるか,あるいは,申請を取り下げて帰国するかしたときの3つを前にあげたが,これ以外にもいくつかある。

ひとつは申請者が亡くなった場合。これは幸いにしてわたしは経験していない。

身元保証人が亡くなることだってありうるが,この場合は申請者は別の保証人を捜さなくてはならない。これも幸いにしてわたしにはない。 

少し脱線するが,身元保証人を変えなくてはいけないケースもある。それは例えば身元保証人が重い病気になり,責任が負えなくなった時だが,一番多いのが,身元保証人と難民認定申請者との間の信頼関係が失われ,どちらも,あるいはどちらかが保証関係を解消したいという場合だ。

入国管理局は身元保証人の変更はあまり認めたくないようで,変えようとすると嫌味を言われたりする。手続きもいろいろめんどうだ。

ときどき,難民認定申請者の方から,今の身元保証人は意地悪なのでわたしにお願いできないか,と頼まれることがある。わたしはたいてい次のように答える。「もちろんいいですよ。でも前の保証人の方と入管に行ってまず相談してみてくださいね」

そうするとまず話は沙汰止みになる。手続きに少々手間がかかるので,それくらいならそのままでいいや,と思うに違いない。わたしとしても万々歳だ。