2015/06/08

アラカン民族のこと [17日目]

アラカン民族紹介のスライドショーに自分でナレーションをいれたものをYouTubeに公開したのだが、わたしの声がなかなか良いとの評価をいただいた(約1名)。

となると、映像を見る人がわたしの朗々たる美声に聞きほれてしまい、肝心の内容が頭に入ってこないなどということもあるかもしれない。

もう心配でいてもたってもいられぬ。

なので、念のため以下にテキストを公開する次第だ(すでに述べたようにゾウミンカインさんが書いたものをわたしがシンプルに訳したものだ)。

1)ゾウミンカイン。日本のアラカン民族の代表です。

2)イギリス植民地前のビルマではすべての民族が独立して平和に暮らしていました。

3)アウンサン将軍の主導のもと、ビルマをひとつにするために結ばれたのがパンロン協定でした。すべての民族の平等と自治が認められていました。

4)アウンサン将軍の暗殺後、ビルマの指導者たちはパンロン協定を反故にして、権力を奪いました。

5)ビルマの指導者たちは少数民族に政治的な力を譲り渡すことを拒み、平等と自治を否定しました。それゆえ、多くの民族が武器をとって戦う道を選びました。これは民族同士の戦いではなく、中央政府とわたしたち少数民族の戦いなのです。

ビルマの問題の本質は、民族の平等と自治を認めない現在の憲法にあります。

6)アラカン人も、チン人も、カチン人も、カレン人も自分の軍を持っています。

7)カレンニー人も、コーカン人も、モン人も、パラウン人もともに戦っています。

8)シャン州軍もあれば、ワ人の軍もあります。

9)アラカン人はアラカン州に暮らしています。

10)豊かな資源が眠るわたしたちの州ですが、開発の点ではビルマ最低です。

11)アラカン州の誇る古代仏教遺跡、そしてビルマ中のあこがれのガパリビーチ。

12)アラカン州が産出する天然ガスは中国に売られ、地元には利益はまったく還元されません。

13)中国企業の進出にともない、土地は奪われ、住民たちは適切な利益や補償を受けることもできません。

14)中国にとってアラカン州は、天然ガスや原油をパイプラインによってもたらす生命線であると同時に、インド洋のインド海軍の動きを監視するための戦略拠点ともなっています。

15)アラカン州には豊富な天然ガスがあるにも関わらず、ビルマ政府は石炭による火力発電所の建設を計画しています。環境破壊と健康被害を懸念するこの地域の住民たちは計画に反対しています。

16)政府への不満と反中国感情がアラカン州で高まっています。他の国々、特に日本からの投資をわたしたちは待ち望んでいます。どうもありがとうございました。