事務所のトイレが詰まった。
ビルマ・コンサーン共同代表であるわたしが尻を拭きすぎたのだ。
さいわい、水は溢れなかった。また、完全に閉塞してしまったわけでもなかった。便器の縁まで溜まった水はしばらく放っておくと、通常の水位にまで戻った。しかし、そこでもう一度流すと、再び水は縁までいっぱいになった。柄付きのブラシで便器の底をかき回してみたが、事態は好転しなかった。
そのときわたしはひとりだった。これはよかった。だが、あいにく、すぐに出かけなくてはならなかった。つまり、腰を据えて修理をする時間はなかったのである。
わたしは、外出中に事務所を使うことがあると大変だと考え、もうひとりの共同代表のタンさんに電話をかけて尋ねた。すると「その予定はない」と返事してタンさん、「だけど、どうしてそんなことを聞くんだ?」
「トイレが詰まったんだ」
「えっ、大変だ! 今から手伝いに行くよ!」
なんてマジメなんだタンさんは、と思いながらわたしは大慌てで断った。