3)キリスト教徒ならではの理由
カチン人の大多数はキリスト教徒で、つねに「良きキリスト教徒ならば我慢して相手を許しましょう」という倫理的立場をとる。この事件にさいしても同様である。
もちろん、これは特殊なキリスト教というべきで、日本のキリスト教徒の中には「こうした犯罪が繰り返されないように、率先して警察に訴えて事実を明らかにするのが務め」と考える人も多いに違いない。
カチン人のキリスト教徒信仰にはよいものもたくさんあるが、この妙に抑圧的な態度のように、有害なものもないわけではない。
在日カチン人の牧師はかつてこんなふうにいっていたそうだ。「(ビルマ軍事政権の)政府に反抗することは、神に逆らうことです」
しかし、この牧師も現在は難民認定申請をしているという。